ID 27021 雨嵐

二級建築士合格体験記 「おっさんでもいける」

そんなに大層なことは書けないかもしれないですが、自分の記録としても残そうと思いました。

【学科試験】

学科試験は足掛け4年で合格しました。1年目は法規の足切りで、2年目は一級に切り替えたけど独学を断念した時には

二級の申し込み期限が過ぎていました。

やっぱり二級から取ろうと3年目、これまた法規で引っかかりました。猛烈な悔しさもあり、

4年目は気合を入れなおして足切りが不安なんて言わせない点数で合格。

しかし、ここで気が抜けたのか、H26木造の試験では散々な結果でした。なんせ書ききれませんでしたから。

ほとんど製図の試験勉強はしていませんでしたが、市販のテキストじゃ何から手を付けていいかも分からないまま

時間が過ぎた感じです。学科は独学でも製図の独学にはさすがに限界を感じました。

 

【最端製図との出会い】

私は、土木工学科を卒業しています。技術士を持っていますが、総合管理部門をそっちのけで建築士の資格を狙うのは

異業種的な扱いですので会社には内緒で勉強しました。

よくある大手の学校は、どうしても感覚的に(対応や金額的な面等もろもろ)納得いかず、絶対に行きたくないと思っていました。

なんとか他の方法は無いだろうかと探していたところ、通信教育という手段を見つけ、これだと思いました。

他にも通信教育の会社がありますが、最端製図の理念と、会社が大阪であるということで決めました。

通信教育と決めた時から、自分との孤独な戦いが始まります。単身赴任で大阪から広島に来ているので、

相当な精神的負担は覚悟しました。

 

【前半戦】

1/17に前半戦の申し込みを行い教材が送られてきましたが、その中にすべらんうどんとキットカットも入っていました。

前半戦練習課題、エスキースが与えられているにも関わらずおおよそ8時間掛かって愕然としました。

「これ、ほんまに半分の時間で書けるのだろうか・・・。」

大学で製図の単位は取ったとはいえ、手書きで製図を行うのは今の仕事にしてもほぼ皆無、

また、きちんと製図に関して勉強をするのはこれが初めてなので、先生方の書かれていることを忠実に再現しようと思いました。

今思えば余計な知識がなくて良かったなと思います。

 

私のいつもの勉強法は、ノートにまとめるという手法です。

特に今回挑戦する資格は通信教育であるという点からすべて自分で管理をしなければいけませんので、

年間のスケジュールが管理できるようにコクヨの月間ダイアリー型のノートを使いました。

これに、課題の締切、発送日を書き込んでいくと、いつ課題をしなければならないかというところが見えてきます。


製図に関しては、赤ペンで何を指摘されたか、なぜそういう指摘を受けたか、そしてなぜ自分はそう考えて書いたのかを

自分の言葉でリスト状にして書き出しました。エクセルでまとめるという方法もありましたが、手書きにこだわりました。

もちろんエスキースコードとドローイングコードの「気付き」も書き留めました。

また、掲示板に書かれた他の方の質問並びに回答から、自分でも犯しそうなミスは書き出しました。


課題が発表されてから1回目のシンクロ模試・・・まさかの『失格』。


火がついた。

 

【後半戦】

もう一度、今までの課題を総ざらいしました。先生の励ましのことばを信じて一言一句逃さないように改めてチェックしました。徹底的に。

回数をこなすにつれ完成時間は6時間前後になりました。出される課題の難易度にもよりますが、

どこが自分として時間がかかるのか、どの図面が苦手なのかが見えてきます。

指摘されて気をつけているはずなのに犯してしまうミスもなんとなくわかってきました。


“ならばやることは決まっている。”


DVDで書き方を何度も確認し、普段は方眼用紙を持ち歩いて暇があると断面図を書いていました。

すると繰り返すことで、苦手な部分の描画速度(書く順番としても)が上昇するのがわかってきました。

最終的にはDVDの通りではないけれど、自分の書きやすい順番が確立されてきました。


 

また、過去の卒業生も書かれていますが、この頃には最端テンプレートの便利さがわかってくるようになりました。

木造課題ではないので、便利さの実感が半減しているのかどうかは定かではありませんが、

少なくとも普通のテンプレよりは『より製図試験のため』に作られたと感じることが出来ました。

DVDで得られた感覚も非常に大きいです。


赤ペンの添削は最後までありましたが、終わりの頃は一番最初のまっかっかよりは全然少なくなってきました。

この頃にはタイムアタックの甲斐もあってチェック時間も含めて何とか5時間程度になっていました。

先生も書いておられましたが、課題に取り組むチャンスは1回ですから派生課題や次の課題が苦しいけれど楽しみでした。

 


【試験前日】

会社はとりあえず有給休暇を取得しました。とても仕事の出来る精神状態ではないなと。

お菓子の棚からキットカットを取り出す。

おぉ!?賞味期限切れてるやん!!やばいな、結構前に期限が切れてる・・・

試験前日に食べようと決めてしまったのがまずかったか。

しかし、ここで食べないという選択肢は無い。ま、死ぬことはないやろと食べました。

お腹痛くなったら正露丸飲めばええねんと。すべらんうどんも前日完食です。

(お腹は痛くならなかったですね。一人暮らしで少々賞味期限切れたものでも構わず食べてたから耐性がついたか・・・。)


昼間は護国神社に行って学業成就のお守りを買い(この期に及んで神頼み・・・)、銭湯にいって気分をリフレッシュしました。

夜には今までに書いた製図の“量”を見て、致命的なミスをした課題を目に焼き付け、

合格点に到達した後半戦シンクロ模試の回答に書かれた神無先生の『よくできています kanna』の文字をしみじみ読んで、

ゼロからよくここまでやったなと噛み締め、あとは自分が自分を信じなくてどうする!と床につきました。

 

【試験当日】

さて、試験当日、さすがに“励ましのシール”は見つけられなかったので最端テンプレを目印に仲間を探しつつ、

落ち着かないのでどなたかのおっしゃっていた白紙にひたすら線を引いていました。これが妙に落ち着くのに感心しました。

周りを見渡すと仲間らしき人がいました。テンプレの方も見つけましたが、線を引いている人もいました。

「はっはーん、最端仲間やな」と勝手に思っていました。

そして少し落ち着いたところで自分の『虎の巻』であるノート、そしてそれを更に凝縮させた最端チェックシートを読み返しました。

大丈夫、こんなにやったから大丈夫、でも“後はないで”と言い聞かせました。


私事ながら、岸和田人であるためこの時期(9月中旬)には『だんじり祭り』があり血が騒ぎます。

今年は運良く祭禮と1週間ずれましたが、例年ガッツリかぶります。去年は試験で曳いていないので、

今年落とすと来年も曳けなくなるといった、会社とか試験といった類ではない別次元のプレッシャーがありました。


いざ試験開始。・・・・・敷地の形状見たことあるやん!

読み進むにつれ、あたりまえだけど初めての文章に戸惑う

ん?「エレベーターシャフトについても、床面積に算入しない?」何それ聞いてない

授乳用ブース?仕切ればええんかな・・・

屋外プレイスペース? おぉ、バルコニー的なやつか

見え掛かりの開口部書かんでいいんか!ラッキーやな


何やらいつもより書かなあかんもん(建具等)が多いような気がするなと思いながらも最大の建築可能面積を割り出し、

柱スパン割、アプローチ計画、機能図といつものように進めました。

二階の要求室配置と階段に少々戸惑いつつも、面積チェックまでエスキースが終了。

戸惑った分、普段より時間が押している・・・大丈夫、許容範囲だ。要点のキーワードをエスキース用紙の隅に記述し、

いざ製図へ取り掛かりました。


エスキースでプランニングしたものを淡々と具現化していきましたが、まともに挑戦するのは初めてなので少し慎重になりすぎたのか、

全てを書き切ると残りは20分だったのを鮮明に覚えています。

「あぁ!!
20分しかない!」と背筋に冷たい汗が流れました。


おちつけ・・・おちつけ・・・諦めるな・・・ゆっくりと深呼吸をし、今度はチェックモードに突入、ひとことひとことチェックを入れていく。

「チェックの鬼になってください」という神無先生の言葉を思い出しながら要求室、階段段数、建具・・・ 

喫茶コーナーの手洗いを書き忘れていることに気がついたが、スペースがない・・・

減点で済めばいいと割りきって端にねじ込んで旗揚げをしました。


ん?コア部分って区画しないといけない気がするなとふと思いつき(ほぼひらめきに近い)、

おもむろに課題文章を読み返す。・・・ん?・・・おぉ!?区画が必要じゃないか!!

客の出入りは出来ないといけないけど店が休みの時は住人が店には入れないようにしなきゃ!

パニックとはこのことかとちょっと冷静な目もありつつ、ベビーカーも通れるようにしないと・・・とか考えながら、

縦の整合性も考えギリギリに修正完了。

そしてあと数分。

最後にやっぱりエレベーターシャフト面積の非算入が引っかかる。

今までの知識だと着床階は算入する。先生の言葉がよみがえる。

「サプライズは毎年ある。でも焦らずに文章のとおりに表現すればいい」

よし、抜けと言われているのだから抜こうと決めた時に終了の合図。

とりあえず、最後までやりきった。

よくやったなと思いました。

帰って書き込みを見て愕然とした。

屋外プレイスペースの上に普通にリビングを持ってきていた。屋外ではあるけど、屋上ではない気がする。

いや、壁と天井を設けてはいけないという条件はなかったし・・・。

ひたすら人に聞いたり調べたりしたが解釈はまちまち。

とある資格学校では模範解答で屋外プレイスペースの上に居室を設けていたが、それが正しいとは限らない。

どうりでリビングが広かったわけだ・・・。お金持ちの間取りやな〜とか思っている場合じゃなかった。

いくらあれこれ調べて見ても、ちょっと待って!間違えていたから書き直します!!なんてことも出来ない。

うーん、もうね、終わったことは仕方がない。やりきったと思っているなら、あとは出題者の解釈の問題だなと割り切ることにしました。

 

【結果発表当日】

結果発表当日の今日、7時に起きてサイトを見るもまだ、8時でもまだ、9時に見てもまだ発表されていない。

すると9時半過ぎに建築技術教育普及センターからLINEが届く。合格発表の案内だった。


ゴクリ とつばを飲む・・・

広島、広島・・・・お?あるわ・・・あるやん!!

2度見どころか3度見。たまたま隣にいた友人にも確認してもらう。

次の瞬間は雄叫びだった。

行楽シーズンに図書館に籠もり、「休日ってひとりで何してるの?」と会社の同僚に聞かれ(立場上)製図の練習と言えない日々たち、

そして中腰による製図の練習でいわしたぎっくり腰(とそのために買ったコルセット×2セット)が報われました。

すぐさま最端製図の板に書き込み、そして家族とお世話になった方々に連絡を入れました。特に父は喜んでいました。

 

【御礼】

普段はCADで製図をすると言っても土木の図面、ましてや手書きの製図に関してはド素人に近い私を叱咤、激励

あるいは応援してくださった神無先生を始め、何度も同じ間違いをしてくる私の図面を丁寧に根気よく添削していただいた

梢先生、文月先生、滴先生そして模範解答等を書いてくださった先生方、そして共に戦った最端製図の仲間の皆さん、

本当にお世話になりました。ありがとうございました。

完全に遠隔となる学習方法のため不安はありましたが、掲示板への書き込み、そして神無先生の迅速な回答、

課題郵送後の間髪入れない添削図面・解題返送にいつも驚き、距離の近い通信教育であることをいつも実感していました。


やればいける、諦めなければおっさんでもいけるということを証明できて本当に良かったと思います。

改めて、ありがとうございました。

余分な知識を持たず、すべて信じて付いて行って本当に良かったと思っています。


新しい世界が広がるというのはこういうことなんだなと、いつもの風景だけどいつもの風景ではない夕焼け、

紅葉に染まった山々を見て思いました。

 

2015.12.3 雨嵐