矩計図の作図

チャプター3

 

矩計図は、基本的には基準線を引き構造部材から描くという順序がありますが、
この試験においては、順序よりも速く描く事を優先させて下さい。

ここで紹介する手順は、あくまで一例であり、上から描くのも下から描くのも自由です。
自分自身で最も速く描く事ができる手順を見つける事が肝心です。

描く順番は違っても、参考にできるところがあると思いますので、使えると思った部分は
自分の作図手法に取り入れて下さい。


22' 50'' 0' 00''

土台を描きます。
6ミリの四角を使います。

枠の下から6マスのラインが基礎の上端になります。このラインに対して、少し浮かせた位置に土台を描きます。
(浮かせる寸法は基礎パッキンの厚み20oです。目分量でOKです)

※この時の定規の位置を覚えておきます。
テンプレート定規は右側を1マス空けた位置になります。
平行定規は概ね枠の下端から少し離れた位置になります。
(自分の製図板で確認して下さい)

23' 02'' 0' 23''

大引(90×90)の位置をとっています。

大引は土台と上端を合わせています。

23' 06'' 0' 28''

1階の床を描きます。
目分量で重ならない程度です。

 

根太と大引を描きます。

 

作図範囲は壁の中心線から1,000o以上となっていますが、1,200oのところまでとして下さい。

23' 18'' 0' 40''

GLと基礎の高さ、割栗石の高さを補助線で引きます。

方眼に合わせてそれぞれ200oです。

23' 27'' 0' 47''

胴差の位置を確認します。

胴差の位置は、2階の床から100o下がったところに設定します。

1階の床から3,000o上がったところを2階の床としていますので、テンプレート定規の目盛りの30のところを1階の床に合わせています。

胴差の横幅は120oなので、テンプレートの6ミリを用いています。

23' 37'' 0' 58''

柱の幅を補助線で引きます。
1階の窓の上から軒高くらいまで引いて下さい。
(概ねテンプレート定規の高さです)


胴差を仕上げます。
高さが180oの場合は、9ミリの四角を利用します。


2階床を描きます。
フローリングと合板の分です。


合板の下から根太の高さ(105o)を測ります。

24' 13'' 1' 35''

根太の下端の線を補助線で引きます。

 

梁の下端の線を引きます。
(梁の上端線は、根太を描いてから入れます)

 

天井のボード、野縁と野縁受のラインを引きます。(45o程度)
厚みは測ってもいいですが、できるだけ目分量で取れるようになって下さい。

24' 34'' 1' 56''

軒高を確認します。

2階の床高から軒高までの寸法が2,800oの場合は、定規の28の目盛りを2階の床に合わせます。

24' 40'' 2' 00''

軒桁を仕上げます。

 

壁の中心から910oの位置と455oの位置を確認し、補助線を引きます。

910は母屋の位置、455は野縁の間隔になります。

25' 12'' 2' 30''

垂木の下端ラインを補助線で引きます。

勾配定規を4寸に合わせ、壁中心線と軒高の交点に交わるようにします。

25' 24'' 2' 43''

母屋を描きます。
先ほど引いた母屋の中心線と垂木の下端の線が交わるところに合わせます。

 

25' 34'' 2' 56''

垂木の厚みと屋根の仕上げの厚みをとります。

25' 41'' 3' 01''

垂木と屋根の厚みの線を補助線で引きます。(軒先部分だけでOK)

25' 49'' 3' 10''

軒先の先端を仕上げます。

軒の出は600oで設定しています。

25' 55'' 3' 16''

鼻隠し部分を仕上げます。

寸法はできれば目分量でとって下さい。
(慣れるまでは測ってもOKです。)

 

26' 10'' 3' 31''

屋根を仕上げます。

ついでに勾配表示も記入します。

26' 42'' 4' 04''

軒天井を仕上げます。

この部分もできれば目分量でとれるようになって下さい。

27' 11'' 4' 32''

2階の天井を仕上げます。

 

小屋梁を記入します。

 

小屋束を記入します。

 

羽子板ボルトを記入します。
(羽子板ボルトの大きさも感覚で覚えます)

28' 25'' 5' 47''

サッシ枠まわりを描きます。

窓まぐさの高さは60o、化粧窓枠の高さは30o程度です。
窓まぐさの60oは柱の半分になります。
化粧窓枠は1.5ミリなので、平面図の壁厚と同じです。

化粧窓枠は、柱の補助線から少し出るところまで引きます。

28' 40'' 6' 01''

下も同じように描いて下さい。

サッシの下枠は少し斜めになります。

28' 54'' 6' 16''

枠の見え掛かりとガラスを記入します。

見え掛かり線は細い線、ガラスは太い線です。

外側のガラスと柱の補助線が重なるようにするといいでしょう。

1階のサッシまわりも同じように描きます。

 

ついでに土台の水切りも記入します。

外壁と内壁を仕上げます。

 

断熱材のラインも入れて下さい。

 

壁の線は、サッシを描く合間に引いても構いません

32' 11'' 9' 34''

2階根太を仕上げます。

1番左の根太は柱に付けて、
2番目の根太はマスの真ん中
3番目は方眼の中心
4番目はマスの真ん中もしくは野縁と同じ位置

 

梁の上端の線を入れます。
(根太と根太の間)

天井の野縁を仕上げます。
(位置は2階の天井と同じです)

 

羽子板ボルトを記入します。

33' 20'' 10' 42''

1階の床根太を記入します。
(位置は2階床根太と同じです)

33' 48'' 11' 10''

基礎の幅(150o 500o)と割栗地業の幅
(600o)をとります。

34' 04'' 11' 26''

基礎を仕上げます。

34' 44'' 12' 06''

GLの線と盛土ラインを引きます。

束石と床束を記入します。
(ほぼマスの中心か、やや右よりに)

35' 10'' 12' 32''

アンカーボルトを記入します。

 

基礎の内部の斜線(45度)を引きます。

 

割栗内部の斜線(60度)を引きます。

36' 06'' 13' 28''

構造材の断面の中の斜線を引きます。

断熱材を記入します。
(フリーハンドでもOKです)

化粧窓枠内の斜線を引きます。
(フリーハンドでOK)

 

最後に寸法線と文字を記入します。

  

矩計図は試験の開始前からほぼ作図する内容が確定している図面です。
繰り返し練習する事によって、手順が定まり時間は確実に短縮されていきます。
(速い人で30分から40分くらい)
少しでも時間を縮め、エスキース時間を確保できるようにして下さい。